参考情報

TOP>参考資料>各種論文>EPAに関する論文

EPAに関する論文

A:がん関係


  1. 食道がんの手術を受ける患者53名、RCT、手術5日前から手術後21日目までEPA2.2g含む栄養剤摂取により、入院中の体重減少がコントロール群に比べて有意に減少した。

Ryan AM, Ann. Sur., 2009; 249(3): 355-63

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19247018


  1. 化学療法を受ける肺がん患者40名にEPA2.2g含む栄養剤を摂取させた群は、コントロール群に比べて体重減少が有意に抑制された。EPA栄養剤摂取群は、筋肉量の維持または増加が69%であったのに対してコントロール群は29%であり、試験群の筋肉量は、有意に大きくなった。

Murphy R A, Cancer 2011; 117(8) : 1775-82

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21360698


  1. 肺がん患者で化学療法を受ける患者46名に1日あたりEPA2.5g+DHA500mg含有のカプセルまたは液体魚油を摂取したところ、化学療法に対する応答率、臨床的メリット、化学療法サイクル変更数、化学療法期間の日数が有意に増加した。また1年後の生存率がコントロール群より高かった。(60%対39%)

Murphy RA, Cancer 2011; 117(16) :3774-80

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21328326


  1. 肺がん患者で化学療法を受ける患者46名にEPA1.1g+DHA0.5g含有する栄養剤を1260日間摂取し、コントロール区と比較した。摂取30日目で体重増加、エネルギー摂取量、たんぱく摂取量、食欲、QOL評価(EORTC QLQ-30)、プレアルブミン、トランスフェリンが有意に上昇し、CRPが有意に減少した。

Guarcello M, Nutri. Ther. Metabol. , 2006; 25: 25-30


  1. 進行性膵臓癌患者200名、RCTEPA2.2g+蛋白質32g620kcal480mlの栄養剤摂取により、8週間後の各種指標について調べた。食事の摂取量、トータル熱量、総摂取蛋白質量は、コントロール群に比べて有意に高かった。8週後の体重は、EPA区で−0.25kg/月、コントロール区で−0.37kg/月であった。EPA摂取群は、栄養剤摂取量と体重増加に関して相関係数0.5LBM(除脂肪体重)の増加の相関係数0.33でともに相関が確認された。また血液中のEPA濃度とLBMも相関係数0.51で相関していた。

Fearon KC, Gut 2003; 52(10): 1479-86

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12970142


  1. 進行性の膵臓癌患者20名に対してEPA1.1g+DHA0.5g含有する栄養剤を127週間摂取し、開始時と比較した。3週間目で+1.0kgの有意な体重増加、+1.0kgLBM(除脂肪体重)の有意な増加が確認された。食欲、Karnofsky値も有意に高かった。7週目も同様で体重、LBM、食欲、Karnofsky値が上昇した。

Barber MD, Br. Cancer, 1999;81(1):80-6

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10487616


  1. 進行性膵臓癌患者24名にEPA1.1g入り栄養剤を2缶摂取して8週間後の各種指標について調べた。EPA摂取群は、摂取前に比べてTE(総エネルギー消費量)、PALTEE/REE)が有意に上昇した。

Moses AW, Br. J. Cancer 2004;90:996-1002

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14997196


  1. 3,081名の乳がん患者のコホート研究により、EPA/DHAの摂取の多い人は、新規の乳がんの発現が約25%低減した(オッズ比0.74)。EPA/DHAの摂取の多い人は、すべてのケースの死亡曲線を低減する。(オッズ比0.75

Patterson RE, J Nutr. 2011;141:201-206

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21178081


  1. 家族性大腸腺腫症の患者55名を2群に分けて試験群は、EPA12gEPA0.5g含有カプセルを2カプセル×2回)摂取し、6カ月後に評価した。コントロール群に比べてポリープ数およびポリープの大きさの合計が有意に低減した。

West NJ, Gut. 2010;59:918-25

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20348368


  1. 進行性の胃腸または肺がん患者518名に対してEPA2g4gおよびプラセポの3群に分けて48週間摂取後評価した(RCT)。その結果、プラセボに比べてEPA2g4g摂取群は、体重やQOLQuestionnaire-C30)が有意に改善した。

Fearon KC, J. Clin. Oncol. 2006; 24:3401-07

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16849754


B:冠動脈、中性脂肪関係


  1. 総コレステロールが250mg/dl以上の人に1.8gEPA+スタチンを投与したところスタチン投与のコントロール群と比べて5年間で19%の冠動脈疾患罹患の有意な減少が確認された。(JELIS研究)

Yokoyama M, Lancet. 2007;369:1090-1098

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Eff+ects+of+eicosapentaenoic+acid+on+major+coronary+events+in


  1. 41,578名のコホート研究により、EPA/DHAの摂取量により5群に分けて分析した結果、非致死性の心筋梗塞について最大のEPA/DHA摂取(2.1g/日)の群は、最小のEPA/DHA摂取(0.3g/日)と比べてハザード比0.67である。(JPHC-Study)しかし致死性の心筋梗塞に関しては、ハザード比1.08と逆の結果となった。

Iso H, Circulation. 2006;113:195-202

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16401768


  1. 冠状動脈バイパス移植(CABG)患者610名にEPAエステルを13.4g摂取し、コントロール群と1年後比較した。EPA群の閉塞は27%、コントロール群は、33%オッズ比0.77で有意に減少した。1回以上の閉塞は、EPA43%、コントロール群55%、オッズ比0.72で有意に減少した。

Eritsland J, Am. J. Cardiol. 1996; 77:31-6

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8540453


  1. 11,323人の追跡研究、ω-3油脂を11g以上摂取している群は、死亡率が3ヶ月目から相対危険度0.59で有意に低下した。突然死も4ヶ月目から相対危険度0.47で有意に低下した。冠動脈疾患死は6ヶ月目から相対危険度0.62で有意に低下した。心疾患死は8ヶ月目から相対危険度0.64で有意に低下した。

Marchioli R, Circulation 2002; 105(16):1897-903

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11997274


  1. 心筋梗塞を持つ11,324名に対して4群分けしてEPA0.3g+DHA0.6g/日をゼラチンカプセルで摂取した群とEPADHA+ビタミンE 0.3g摂取群、ビタミンE群、コントロール群を比較した。EPA摂取群は、心血管死が2way法にて相対危険度0.83で有意に低下した。死亡率は相対危険度0.86で有意に低下した。(GISSI

GISSI, Lancet 1999; 354:447-55

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10465168


  1. 冠動脈バイパス手術(CABG)の患者160名をコントロール群とPUFA2 g/日(EPA850mg)摂取群(少なくとも手術の5日前から退院まで)とに分け比較したところ、AF(心房細動:不整脈の一種)がコントロール群33.3%に対して試験群15%、入院日数が8.2日から7.3日に有意に低下短縮した。

Calo L, J Am Coll Cardiol. 2005;45:1723-1728

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15893193


C:アレルギー関係


  1. 子供のぜんそく患者29名に対して1日あたりEPA17-26.8mg/kg+DHA7.3-11.5mg/kgのカプセルを摂取してコントロール群と10カ月間比較した。EPA群は、ぜんそくスコアと

アセチルコリン感応性が有意に低下した。

Nagakura T, Eur Respir J. 2000;16:861-5

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11153584


  1. アトピー性皮膚炎患者23名を2群比較して1日あたり魚油10gEPA1.8g)をカプセルで摂取し、コントロール群と12週間で比較した。EPA群は痒み、かさつきの疾患スコアが有意に低下した。

Biorneboe A, J. Intern. Med. Suppl. 1989; 731:233-6

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2650695


D:ICU、侵襲期関係


  1. ARDS(呼吸促迫症候群)ICU患者146名を2群に分け、EPA6.9g+GLA(ボラージ油)5.8g摂取群とコントロール群で47日目の各種指標について比較した。LOS(低拍出症候群)や新規の臓器障害、人工呼吸器の期間が有意に減少した。

Gadek JE, Crit. Care Med. 1999; 27: 1409-1420

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10470743


  1. ARDS, ADI(急性肺障害)の患者100名を2群に分けてコントロール群と試験群:オキシーパ摂取群(EPAGLA含有)で14日間摂取して各種指標について調べた。28日目の死亡者数が試験群(オキシーパ群)で有意(53vs 30%)に低下した。LOS(低拍出症候群の日数)は有意差がなかった。肺疾患のガス交換や機械換気要件の際に有効なものである。

Singer P, Crit Care Med, 2006; 34:1033-1038

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16484911


  1. 重症敗血症の患者165名をコントロール群と試験群:オキシーパ群(EPA 4.5g,GLA 4.3g)の2群に分けて28日間摂取し、各種指標について調べた。その結果、試験群は死亡率、新規の臓器障害が有意に低下した。ICUフリー期間、人工呼吸器フリーの日数が有意に増加した。PaO2(動脈血酸素分圧)/FlO2比は、試験群で摂取47日目に有意に上昇し、呼吸機能の改善が確認された。

Pontes-Arruda, Crit Care Med. 2006;34:2325-2333

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16850002


E:メカニズム関係


  1. EPAは、ATP独立の蛋白質分解経路を通して体重減少やヒラメ筋のたんぱく質異化に有意に抑制する。ATPユビキチン独立経路は、がん悪液質時の筋肉異化や活性プロテアソーム活に対して重要な役割を担っている。マウスの実験にてEPA添加により20Sプロテアソームの発現減衰とともに活性プロテアソームは完全に抑制された。がん悪液質マウスのプロテアソーム発現の上昇を抑制する。EPAMAC16腫瘍の成長を抑制した。

Whitehouse AS, Cancer Res. 2001; 61:3604-09

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11325828


F:リウマチ関係


  1. 多価不飽和脂肪酸が持つ抗炎症性効果と、関節リウマチなどの炎症性疾患の治療への有益性についで調べた。41人の関節リウマチ患者にEPA2.090gDHA1.165gを含むカプセルを16週間継続した。体重55kg以上の患者のn-6/n-3NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)の必要量、LTB4の値が有意に低下した。

Y. Park, J Nutr Biochem. 2013;24:1367-1372

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23333088  


  1. 活動性が高い関節リウマチに対する魚油の有効性と、好中球中のロイコトリエン濃度への影響について調べた。21人の関節リウマチ患者に1日当たりEPA2.7gDHA1.8gを含むカプセルを与えた。疲労の開始の平均時間は156分に改善され、圧痛関節数は3.5に減少した。好中球中のロイコトリエンの生産と圧痛関節数の減少には相関があった。(p<0.05

Kremer JM, Ann Intern Med. 1987;106(4):497-503

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3030173

  

  1. 健康な男性4人にEPA0.28gDHA0.12g、その他のn-3系脂肪酸0.10gを含むカプセルを1日に10カプセル、12日間服用させた。好中球中、血清中ともにAA(アラキドン酸n-6)/EPAが減少した。また、6日間服用させ、1日当たりのカプセル数を101520とした場合、カプセル数の増加に伴いAA/EPAは減少し、用量依存となった。また、服用前と比較するとLTB4の値は減少した。

Floyd H. Chilton, J. Clin. Invest. 1993;91:115-122

  http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC330004/


  1. 12人の活動性の高い関節リウマチ患者に1日当たり1.3g相当のEPAを含む魚油を6週間与えた。好中球中のAA/EPA比は81:1から2.7:1へ減少し、LTB4の平均産生量は有意に33%減少した。また、血小板活性化因子の産生も有意に37%減少した。

Sperling Rl, Arthritis Rheum. 1987;30(9):988-97

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3663263 


G:移植関係


  1. 慢性腎不全である高グリセリド血症を患う腎移植レシピエントに対する、魚油の効果について調査した。5人の高グリセリド血症患者に、EPA180mgDHA120mgを含むカプセルを、毎日4カプセル服用させ、12週継続した。トリグリセリド値が有意に減少し(p<0.05)、高グリセリド血症が改善された。

Shah B, J Postgrad Med. 1994 Apr-Jun;40(2):57-60

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8737552


  1. 少なくとも腎移植後9ヶ月経過している患者11人に6gの魚油カプセル(30C20:5ω-3[EPA]20C22:6ω-3)を3ヶ月摂取させた。糸球体濾過量は20.3%(56→68ml/min/1.73m2)、有効腎血漿流量は16.4%(218→245 ml/min/1.73m2)増加した(p<0.01)。また、平均血圧は8.6%(106→98mmHg)、総腎血管抵抗は21.1%(21952→17087dyne/sec/cm5)減少した(p<0.01)。

Homan van der Heide JJ, Transplantation. 1990 Mar;49(3):523-7

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2316014


  1. 腎移植レシピエントにココナッツ油を1日当たり6g63C8:036C10:0 [n=48])、魚油を1日当たり6g30C20:5ω-3[EPA]20C22:6ω-3 [n=40])を2群にて1ヶ月摂取させた。拒絶反応を示していた魚油を摂取した患者は、腎機能が有意に改善した。クレアチニンクリアランスは43ml/min/1.73m2だったのに対し、摂取しない場合は27 ml/min/1.73m2であった(p<0.05)。

Homan van der Heide JJ, Transplantation. 1992 Aug;54(2):257-63

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1496538


  1. 小児の腎移植レシピエント8人(5人はmTOR阻害剤を服用)に平均投薬量29.2±12mgEPA/kg体重、16.1±7.4mgDHA/kg体重を摂取させた。調査は0.8-5.9年の範囲で行われ、最後の調査では空腹時の総コレステロール値が5.08±0.97(基準値3.77±0.81p=.0084)から4.17±0.54mmp=.0158)に低下した。

Filler G, Pediatr Transplant. 2012 Dec;16(8):835-9

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=%CE%A93+fatty+acids+may+reduce+hyperlipidemia+in+pediatric+renal+transplant


  1. シクロスポリンによる薬剤治療を受けている肝臓移植レシピエントに、12gの魚油(18EPA12DHA)を13人に2ヶ月摂取させた。血漿中のEPA濃度が0.4+/-0.02から4.6+/-0.5%(p<.0001)、DHA濃度が1.8+/-0.2%から3.9+/-0.1p<.0001)増加した。また、有効腎血漿流量は22%(p=.012)、糸球体濾過量は33%(p=.057)、腎血流量は17%(p=.024)増加し、総腎血管抵抗は20%(p=.034)減少した。                                                                          

Badalamenti S, Hepatology. 1995 Dec;22(6):1695-71

  http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7489976


  1. 20人の心臓移植レシピエントに6ヶ月間、ω-3系脂肪酸(30EPA20DHA)を    1g/日摂取させた。心臓組織と赤血球でのEPA+DHA値には高い相関があった(r=0.82, p<0.001)。またω-3系脂肪酸の摂取により心臓組織では110%、赤血球では101%、血漿では139%、頬の細胞では73EPA+DHA値が増加した(p<0.005)。

Harris WS, Circulation. 2004 Sep 21;110(12):1645-9

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15353491


  1. 7人の骨髄移植レシピエントに1日当たり1.8gEPAを、経口投与により3週間摂取させた。EPAを摂取した7人中2人のみが移植片対宿主病グレードVを患ったのに対し、EPAを摂取しない9人すべてはグレードVまたはWを患った。また、EPAを摂取した患者は摂取しない患者に比べ、ロイコトリエンB4、トロンボキサンA2、プロスタグランジンI2の値が有意に低下した(すべてp<0.01)。TNF-αIFN-γIL-10などのサイトカインもまたEPAの摂取により有意に低下した(p<0.05)。生存率はEPAの摂取により向上した(p<0.01)。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11781629